科学特番

レポーター
｢自走する文鎮が存在するとの情報をキャッチし、今日はここ平泉にやってきております。あれが噂の文鎮ですね。さっそく近寄ってみましょう｣

 
ンナァー

レポーター
｢お、音声入っているでしょうか？なにやら鳴き声じみた音が聞こえます｣


ンナーオ


レポーター
｢な、なんと文鎮が鳴いております。不思議だ。少し触ってみたいと思います｣


アーオ
ゴロゴロ


レポーター
｢意外にも柔らかいですねえ。もふもふであたたかい。まるで生き物のような感触です。こんな文鎮はいまだかつて見たことがありません｣


アーウ
ミイアオウ


レポーター
｢あっ！いま私の手のひらが舐められました。たしかに舐められたような感覚です。一体どういうわけでしょうか!?｣


ミャア
ミャアアウ


レポーター
｢謎の文鎮が私のくるぶしに体をこすりつけてきました。うは、くすぐったい。私はいま、怪現象を目の当たりにしております。文鎮が優雅に、その尻尾を私の足首に巻き付けてきております。当地に刻まれた奥州藤原氏の怨念が、時空を超えて祟りをなしているのでしょうか。ああっ！文鎮かわいい！なでたい！猫かわいがりしたい！テレビの前のみなさん、さようなら！｣